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~田村正和さんのご冥福を心よりお祈りいたします。~
2019年9月13日は三谷幸喜脚本の「記憶にございません」が公開され大ヒットしました。この映画は、嫌われものの総理大臣であった黒田啓介が、ある日目が覚めたら記憶を失ってしまったところから始まるのですが、同じ政治を扱ったコメディー映画で20年以上前に、やはり同じ三谷幸喜にて描かれていたのが、今回ご紹介する作品です。
周囲から嫌われている総理大臣像がよく似ていますが、このドラマはまたちがった総理観が描かれており非常に楽しい作品です。
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もともと三谷幸喜としては、「政治物の作品は当たらない」というジンクスを、脚本家として壊してしまいたい思って作った作品ということでした。
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このドラマは、日本とは違う国という設定のお話だということです。だから軍隊なども持っているし、日本国には存在しない名誉国民賞などもあったりします。しかし随所に日本国に関わる内容が登場する微妙な設定で始まったドラマでした。
そんな国家の頂点となった総理大臣でしたが、そもそも彼が総理大臣をやっている内閣の事情も悲劇的でした。不信任案を出されてもおかしくない程支持率が激下がりした内閣、そうなれば解散総選挙になり敗北は明らな状態でした。さらに追い討ちをかけるように、内閣官房長官を決めなければいけない事態に直面した総理でした。なんとか予算だけでもを通したい、だから不信任案の提出されるような決定的な汚点をださないように奔走する総理大臣とスタッフでありました。
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内閣総理大臣役は田村正和、主席官房長官は西村雅彦、このコンビでこのドラマは進んでいきます。この組み合わせは言わずと知れた 古畑任三郎 ですね。
余談ですが、このドラマ役職名はあるのですが、役名(人物名)が設定されていないというとこも特徴的なところです。
田村正和が演じる総理大臣は史上最悪の総理でした。内閣支持率が5%を下回る体たらくぶりです。そもそも別の総理候補が疑獄事件で失脚したあと、クリーンな人材をという理由だけでで総理大臣に選ばれていしまいます。。世襲議員である彼は、いやいやながら総理を引き受けますが、目標が「総理大臣就任最短期間記録を超すこと」というやる気のないことを言ってしまいます。
さらに人格的にも問題があったようで、部下や内閣のメンバー、さらには家族までも嫌われていたのです。性格は我侭・気まぐれ・意地っ張りで、あらゆる面でスケールが小さい、というのが彼の評判です。
そんな総理を支えていたのが、主席秘書官です。彼は非常に有能で総理の失態の尻拭いと支持率アップに奔走するのです。本音は無能でせこい性格の総理に辟易しているのですが、悪人ではないという理由で、総理を支えています。この内閣は主席秘書官と官邸事務所秘書係主任(戸田恵子)だけでもっている内閣でした。
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そんな嫌われ者の総理の家族はというと・・
総理夫人は鈴木保奈美が演じています。彼女も史上最悪のファーストレディという設定でした。オヤジ好きで自由奔放に周囲を振り回していく性格でした。夫婦の会話はあまりなかった二人ですが、婦人の不倫疑惑が解決したあと、夫婦関係の改善は見られました。もうひとりの家族は一人娘です。佐藤藍子が演じています。総理と前妻の間に生まれた子供です。家族の中では一番の常識人でした。浪人中ではありましたが、大学に行く気などなく、女優になる夢をもって劇団で舞台の練習に勤しむ毎日でした。
その他鑑定使用人頭(小松政夫)そしてメイド(鶴田真由)などが家族に使える使用人として登場します。ふたりとも総理のことが嫌いで陰で愚痴をこぼしているやり取りが非常に面白いです。
総理は最初は嫌われ者で風当たりも強くわがままな姿勢を崩しませんでしたが、物語の後半になると、政界の闇や裏切りに会いながらも、総理大臣としての自覚と成長が見えていきました。総理のイメージキャラクターを作る案が官房長官によって提案されたり、「FAX目安箱」を提案するなど、現実の政治でも実施されているような様々なアイディアを発表し実行しようとする、行動する内閣を目指していく姿も描かれていました。田村正和のコメディセンスが光る素晴らしい作品でした。
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