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毛むくじゃらの妖怪が何やら一生懸命看板を書いています。その文字は「自分は気の優しい子犬の妖怪です。人間と仲良くなりたいと思っていますので,気軽に声をかけてください。」というもの。この妖怪(せんだみつお)は妖怪になる前、優しいご主人様に飼われていました。その時に付けていた首輪が彼の宝物でした。
心を込めて書いた看板が出来上がり、喜び急いで村に向かいました。そこで看板を持って友達になってくださいと叫んで廻るのですが、村人たちはその毛むくじゃらの姿を見て、恐ろしくなり家に閉じこもってしまいます。すべての村人が家に閉じこもってしまい絶望的な表情になって隠れ家に帰っていきました。
そんなことを知らずに、その村へ訪れた三蔵法師一行でした。村の入り口では村人が三蔵法師に訴えます。この先に妖怪が住んでいてとても怖い思いをするので道を変えたほうがいいですよと。一行は話し合った結果、妖怪と戦うことにしました。しかしまず誰かが偵察に行かなければなりません。いつもその役をしているのは八戒。しかし八戒はいつもその役をしているのが自分だと、必死の抵抗もむなしく偵察に行くことになりました。そして例の犬妖怪の家にたどりつきました。犬妖怪は人間が訪ねて来てくれたと大喜びでドアを開けたのですが、妖怪が訪問者で自分を退治に来たと知ると激怒してしまいます。巨大化した犬妖怪の前に手も足も出すことができずふと吹っ飛ばされて一行のもとに帰ってきた猪八戒でした。
犬妖怪の強さを知った悟空は、策略をねります。悟空、沙悟浄、白竜が女装して犬妖怪のもとに訪れて油断をしたところを倒してしまおうというものです。人の良い犬妖怪は3人の訪問者を大歓迎し、ご馳走を食べさせてくれるのでした
犬妖怪がお風呂の準備をするために部屋から出て行った隙を狙い、3人は妖怪の怪しいところを探し始めました。そんな中玉龍はお皿の並び方のことを二人にいいます。粗末なお皿を自分が使い、高級なお皿をお客様に上にあるお皿をつかわせようとしていたのでした。だから犬妖怪は、本当は心優しい妖怪なのかもしれないよ・・・。しかし悟空たちは、まだ信じることができないでいました。そして犬妖怪が大事にしている手綱と首輪を見つけて、これは人間たちを拷問を与えるための道具だと思ってしまうのです。自分の大切な宝物を持ち出してごちゃごちゃいう悟空と沙悟浄に対し、犬妖怪はとうとう怒り出してしまい巨大化して悟空と沙悟浄を飛ばしてしまったのです。命からがら三蔵星のもとに逃げ帰っと2人でした。そこで玉竜がいない事に気づき、三蔵法師に怒られてしまいました。
そこへ村人たちが三蔵法師を訪ねてやってきました。村人たちは村の近くに住み着いている犬妖怪を退治することを決めたと言うのです。そして三蔵法師に手伝ってほしいと言いに来ました。三蔵法師はその申し出に快く引き受け3人の弟子を連れて犬妖怪退治に出発するのです。
その頃玉竜は、犬妖怪とすっかり打ち解けていて、彼の本心を知ることができました。玉竜は、やってきた悟空を内緒で呼び出し、犬妖怪の本心を悟空に話して聞かせます。
悟空は、玉竜の話を聞き心を決めました。それは、日本の昔話の「泣いた赤鬼」の作戦で犬妖怪を救うのです。村人の前でわざと悪態を吐き巨大化して暴れ回りました。そこに犬妖怪が現れて、村人のために戦うヒーローとなるのです。
悟空は犬妖怪の攻撃にわざと負けたフリをして、倒れ込みます。そこには村人たちの容赦ない攻撃を受けて、脱げ出します。めでたく犬妖怪は、村人たちに受け入れられ、願いが叶うのでした。傷付いた悟空を不憫に思った玉竜は、犬妖怪に本当のことを告げるのです。犬妖怪は泣きながら、悟空に謝罪するのでした。
まさに西遊記版の泣いた赤鬼です。タイトルを見れば、また悟空が、お師匠さんに反抗したのかと思ったのですが、そうではなく、やさしさと男気を見せたのでした。
今回のゲストは、コメディアンのせんだみつおでした。その人柄そのままの役で、寂しやで人間が好きなんだけど不器用でなかなか受け入れてくれない葛藤を見事に表現していました。妖怪の割にはあまりに可愛らしい着ぐるみに多少の違和感がありましたが、それもせんだみつおのキャラなのでしょうか。
さらに玉竜の優しさも光りました。悟空が玉竜の言葉を信じ、自分が悪役を買って出るという男気あふれる、見どころのある場面がありました。最後はみんな悟空を見直す事になるのでした。
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