目次
角川映画時代劇の紹介第2弾です。原作は山田風太郎の伝奇小説です。漫画サンデーに1964年4月号から8月号までに連載され忍法帖シリーズ第11作目となります。その後単行本として小説化されました。
映画製作にあたっては角川映画の角川春樹がプロデュースにあたり、キャストの選定や、新人のオーディションなども実施していきました。
主演の笛吹城太郎として選ばれたのが、同じ山田風太郎作品「魔界転生」に伊賀の霧蔵役で出演した真田広之でした。真田広之の相手役であるこの作品のヒロインを募集するために全国オーディションを開催しました。これは同時にポスト薬師丸ひろ子募集の意味合いもあり応募者多数の中選ばれたのが、のちに角川三人娘の一人となる渡辺典子でした。このオーディションには、真田広之に憧れる原田知世も参加し特別賞を受賞、アイドル、女優への道が開かれました。
出典:youtube
戦国時代畿内に居を構える戦国大名三好義興の家臣松永弾正は邪な思いで主君につかえていました。それは、主君の美しい奥方右京太夫を我が物にしようとしていう企みです。弾正は、この汚れた思いを果たすべく、戦乱の世を暗躍する果心居士を招き入れます。果心居士は妖術で人民を惑わす奸物です。果心居士は弾正の招きに応じ、7天狗と呼ばれる妖術を使う忍者僧を連れて、弾正に接見します。
果心居士の策略は、弾正を使い為政者に影響力をもたせた上で弾正が天下を臨むように仕向けることにより、政界に混乱をおこさせることでした。そのために、弾正の願いを叶えてやろうと、妖術をつかて右京太夫を弾正のものにすることを約束します。その妖術とは、女の涙を集めて、秘薬と混ぜて煎じることにより、惚れ薬を作ること。7天狗たちは果心居士の命をうけ、生贄となる女を探しに野に向かいます。
そのころ、伊賀の里にいた笛吹城太郎は所用で行った先の色街にいた篝火という女と恋仲になります。笛吹城太郎は篝火と一緒になりたくて、伊賀の住人になれるように篝火に忍術を教え、篝火もそれに答えて、修行をこなしていくのです。そして伊賀の里にかえるため、道中を急いでいました。
そこに、果心居士の部下たちが現れ、篝火は城太郎の目の前で連れ去られてしまいます。この篝火が右京太夫と瓜二つであったため、篝火を巡ってさらなる野望が弾正と果心居士に生まれます。ますます混乱を呈したストーリーとなっていきます。城太郎は、果心居士の邪悪な陰謀に打ち勝つことができるのか・・・
城太郎と篝火
右京太夫
出典:ブログ記事
東大寺大仏殿が、炎に包まれるなか弾正の配下や、果心居士、そしてその部下と戦っていく様は圧巻です。それもそのはず製作費4億5000万円のうち、東大寺大仏殿に火が放たれるシーンには美術費1億5000万円が投入されました。 実物大の大仏のセットや琵琶湖畔に建てられた1/6セットなどは大規模な造形物が用意されてそこで、多くの撮影がされ圧倒的ば存在感を見せつけていました。
果心居士・松永弾正・柳生新左衛門
出典:ブログ記事