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勅健相國寺、ここが今回の冒険の舞台です。このお寺は、極楽の門をくぐることによって極楽浄土に行けるということで評判を呼び、大きな賑わいとなっていました。お寺に向かう行列の民に話しかけると、「100文払って極楽に行けるんだから、安いものだ」と浮かれた様子です。
お金で極楽浄土を買おうなんてもっての外だ!と憤慨する師匠をなだめて、真偽を問おうという弟子達は先立って、お寺に入っていきます。お寺の中で人々が列をなす先にあるのが、人が一人入れるくらいの、アーチ型の穴です。人々はお金を払ってそこをくぐっているのです。三蔵と悟空は壁の穴をくぐってあとの二人を待っていました。悟浄が穴に入ったのですが、お尻がつかえて身動きが取れなくなってしまいました。
戻る事も進むこともできない悟浄、完全に穴を塞いでしまいました。そこで怒ったのがこの寺の住職です。この損害をどうしてくれるんだ!この男を助けたかったら壁の修理代と休業補償などなど数万元という大金を要求してくるのです。仲間を助けるためにそれぞれお金稼ぎに奔走します。しかしそんな大金はそう簡単に稼げません。無理をしてしまった悟空と八戒は、役人に捕まり牢屋に入れられてしまいます。三蔵といえば、何を血迷ったか、玉竜を売り払ってしまいます。(皮を剥いで売り飛ばされると知った玉竜は、人間に戻って逃げ帰り、なんとか助かりました。)
一方蜂に変身して逃げ出した悟空を見て、八戒も変身したのはいいのですが、ブタになってしまったので、牢屋の中は大騒ぎ、役人に見つかって悟空を逃したと勘違いされて激しく責め立てられます。
どこからか、八戒の変身の術を伝え聞いた王様のおそば用人が役所にやってきて、八戒を引き取ると言い出します。その男は、姫君の影武者を探していたのでした。不埒な輩が姫君を襲うというのです。お金が欲しい八戒は渋々引き受けます。
その頃悟空は、偽札作りに没頭していました。(といっても、肖像画は、悟空と八戒、使えるはずがありません。)そこへ侵入者が現れて、悟空に斬りつけます。そうやすやすとやられない悟空、簡単に片付けてしまいます。そこに首謀者が現れ悟空を試したというのです。彼は、この国の治世に不満を持つ革命家で、自分に協力をしてくれたら、一万元を払うというのです。悟空は、悟浄を助けるため協力することとしました。
悟空は言われた通り、神輿に乗った貴人の行列に襲いかかります。神輿の中の人物を引きずり下ろし、斬りつけようとしたら女なのでした。それはなんと八戒が化けたお姫様だったのでした。
戦っているうちにお互いの正体を知った二人は、それぞれの依頼者を騙すことにしました。なんとかお金を持って帰ることができましたが、お寺に戻ると地獄潜りの行が再開してるというのです。
皆でお寺に行くとすでに人々が集まっていて、和尚が何か説法をしています。悟浄はどこかと聞くと行方も知らないとして、三蔵に食ってかかり、暴力を振るうのです。怒り心頭に発達した悟空に成敗された和尚は、壁の穴の前で、気を失ってしまいます。
一方悟浄は、数日穴にはまって動けなくなったため体が痩せこけて、ついには穴から抜け出すことができました。
行く当てもなく彷徨っていた悟浄は、馬の売人から逃れてかくれていた玉竜と合流します。そこに、二人を探していた悟空が筋斗雲に乗ってやってきました。沙悟浄は、怒りに任せて悟空達に文句を言います。一通り文句を言ってなんとか、四人と一頭は再び旅を始めるのでした。
この時代は、魑魅魍魎(ちみもうりょう)が蔓延る恐ろしい時代、そして仏の道を歩む僧侶たちも、その道を外れて私利私欲に走ることがあるようで、今回登場した僧侶も、極端に欲にまみれてしまった不道徳者でした。どう考えても、お金で極楽浄土に行けるなんてありえないのですが、可哀想な民衆は騙されて国の内外からやってきます。そんな腐れ坊主に対し三蔵は激しい怒りを覚えます。
しかしそれ以上に大変な事態が発生しました。悟浄の危機にみんなで協力して助けようとしますが、ことくうまくいきません。なんだかんだで助かったのですが、そのためにみんなの絆が壊れかけてきたのでしたが、それぞれ三蔵が代表してみんなに謝りなんとか空中分解する危機が免れるというハッピーエンド。自分だったら絶対に許せない仕打ちでしたが、、とりあえず仲良く再出発できてよかったです。
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