西遊記第一話「石猿誕す」のあらすじ・ネタバレ感想
目次
西遊記(1987年のドラマ)の概要
今回は西遊記のご紹介です。
2020年2月17日からテレビ神奈川(TKB)で再放送がはじまりました。ネットでも多くの反響があったそうです。1987年に放映された堺正章が孫悟空を演じたドラマです。西遊記が日本で本格的にテレビドラマとなったのは、この作品が初めてかと思います。当時は、NHKの大河ドラマと時間がかぶっていましたが、互角の視聴率を上げていたようです。
ナレーターは 芥川隆行です。「昔むかし、この世に人間が現れる遥か前,~」で始まるナレーションこれが始まるとワクワクし、番組終了時は「続きは次回の講釈で」と結んで、ゴダイゴの「ガンダーラ」が流れてきます。
ドラマ西遊記番組一覧
放送年月 | 孫悟空 | 三蔵法師 | 沙悟浄 | 猪八戒 | TV局 |
1987年 | 堺正章 | 夏目雅子 | 岸部四郎 | 西田敏行 | 日テレ |
1993年 | 本木雅弘 | 宮沢りえ | 嶋田久作 | 河原さぶ | 日テレ |
1994年 | 唐沢寿明 | 牧瀬里穂 | 柄本明 | 小倉久寛 | 日テレ |
2006年 | 香取慎吾 | 深津絵里 | 内村光良 | 伊藤淳史 | フジテレビ |
第一話あらすじ
悟空の誕生
第一話のタイトルは「石猿誕生す」です。人間が生まれるはるか昔のこと、岩石から飛び出した石の塊が動きだし、崖の上でとまったと思ったら、突然石の玉が割れて中から猿が飛び出してきました。孫悟空の誕生です。
孫悟空は石猿と呼ばれていましたが、強くなるために様々な修行を重ね、多くの妖術を身につけていました。分身の術は、体毛を抜いて息を吹きかけると孫悟空の分身が生まれてきて敵と戦うのです。
筋斗雲は、孫悟空が呼ぶとどこからともなくやってきて、孫悟空をのせて猛スピードで駆け抜ける乗り物です。筋斗雲を呼ぶ時の孫悟空の仕草が特徴的でしたね。
出典:TVKドラマ
混世魔王という妖怪の頭によって自分が作った王国を滅ぼされた悟空は怒り心頭で、混声魔王のアジトにいって大暴れ、彼を退治します。もっと強くならなければと思った悟空は、海神様のところに押しかけ、天の川の砂金で作った如意棒(如意金箍棒)を半ば強引に貰い受けて、地上で大きな力を得るなるのです。斉天大聖孫悟空とよばれ、地上で諸侯から一番高い称号をもらったのです。
天界の混乱
悟空の傍若無人の振る舞いは、天界まで届き天界の王様天帝も気を揉むほどでした。ある家臣が、天帝に進言します。それは、石猿である孫悟空なら、天界に招いてなにかの適当な官職を与えておけば、地上に行って暴れることがなだろうというものでした。
出典:TVKドラマ
しかし天帝のその企みも悟空のしることとなり、天空で大暴れしてしまいます。天界で大切にしていた不老長寿の桃を食べつくしてしまい、天帝の許嫁に狼藉を働こうすることなど、天上世界は大騒ぎです。
そのとばっちりをうけて本来天界の二人の役人が少しの過ちで地上に落とされて、妖怪となってしまいます。
捲簾大将(のちの沙悟浄)は天帝の母上が大切にしていた高貴な壺を悟空との戦いで盾として使って壊してしまい、そのため天帝の怒りをかい地上に落とされ河童の妖怪となるのです。
出典:TVKドラマ
天蓬元帥(後の猪八戒)は、酔っ払って天帝の許嫁を襲おうとしてしまった罰でやはり天罰をうけて、地上に落とされ豚の群れと一緒に暮らす妖怪になってしまいます。
出典:TVKドラマ
大暴れした悟空は天上界から逃げ出してしまい、地上にたどり着きます。天帝はほとほと困り釈迦如来(高峰三枝子)に悟空を懲らしめてもらいたいと頼むのです。
釈迦如来は悟空を呼び出し勝負をしようといいます。自分の手の中から抜け出してみよという釈迦如来に対して、思い上がる悟空は楽勝で勝てると筋斗雲で飛び出します。5本の柱があるところまでたどり着いたその場所を世界のはてまできたと思って意気揚々と帰ってきた悟空は、その場所が釈迦如来の指だったということで、負けてしまった悟空は、赤い御札のついた大きな岩の下敷きにされるという罰をうけるのです。
長い時間が流れ、妖怪と人間が共存する世界となりました。人間世界は荒れ果て傍若無人の輩がはびこる世界となっていたのです。
そんな戦乱の中一心不乱に祈りを捧げる若き僧侶がいました。それが、玄奘三蔵法師でした。
出典:TVKドラマ
祈りを下げる玄奘、岩に閉じ込められた悟空、妖怪にされた沙悟浄と猪八戒、この物語のヒーローたちは、まだそれぞれ別場所で、それぞれ求めるものをさがしているのでした。
感想
子供のころ、西遊記という物語がいろんなかたちで目に入ってきていました。ドリフターズの人形劇、ドラえもんの映画、SF西遊記スタージンガーなど、西遊記といえばワクワクドキドキの物語でした。そこにもってきて、本格的なドラマが始まり、テレビにかじりついて見ていたことを覚えています。当時の子どもたちの多くは、おそらく自分のような感覚だったと思います。
地から湧き出るようなイントロで始まるモンキー・マジックの音楽をききながら、今日はどんな妖怪とたたかうのかとワクワクし、番組終わりの芥川隆行ナレーションとともに、ガンダーラの音楽が始まるとなんとも言えない悲しい気分になってしまいました。楽しい時間が終わっていまい、あしたから学校か~と絶望的な思いになってしまうのです。
西遊記の原作は本当はいつなのかわかりませんが、小説の方は孫悟空の修行、三蔵法師の生い立ち、三蔵法師の馬 金角銀角などさらに紹介に描いており、原作で得た知識を思い出しながら、そこに描かれていないことを想像して楽しんだりもしていました。
テレビ神奈川でも一度この西遊記が放送されて、何十年ぶりかに見ることができて、嬉しかったです。