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天国と地獄の美女は、江戸川乱歩の『パノラマ島奇談』が原作です。都市型雑誌の草分け的存在の「新青年」に大正15年(1926年)から昭和2年(1927年)にかけて連載された長編小説です。
江戸川乱歩の小説の中でも人気のある小説で2019年の人気ドラマ「あなたの番です」で原田知世演じる菜奈ちゃんが読んでいた本らしいです。
出典:個人ブログ
土曜ワイド劇場での放映は、1982年1月2日です。原作を基本としてそこに土曜ワイド劇場らしい肉付けしてあります。
1982年のお正月は、このドラマで始まったと思うとなんて幸せな時代なんだろう思いました。今では考えられない刺激的な内容が盛りだくさんです。特にグロテスクがすぎる部分が多いし、エイロティックな画像もいつもの美女シリーズより多いことで有名です。
一方で物語的にはよくできていて、同様ワイド劇場の江戸川乱歩のドラマの中では、一にニを争うスケールの大きな作品だと思います。パノラマ島は架空の島ですが、モデルになっているのは、三重県の志摩半島であるということです。その周辺で明智と波越警部はヘリコプターで、志摩半島の諸島を回ってパノラマ島を探すという贅沢な演出です。
また、幻想的な雰囲気をだすような小道具大道具もたくさん使われており、映像でも十分に楽しめます。
今回のマドンナの叶和貴子は大好きな女優さんです。あどけない表情で多くのファンをつかんでいます。体当たりの演技で、視聴率あがったのでしょう!!
登場人物をご紹介
菰田千代子⇒叶和貴子
人見広介・菰田源三郎⇒ 伊東四朗
人見英子⇒ 宮下淳子
釘谷房枝⇒ 水野久美
大野雄三⇒小池朝雄
冒頭、明智がカメラの前で語りかけます。「私が手がけた事件の中でも一番スケールの大きい、そして一番恐しい事件」それが今回の『パノラマ島』で起きた事件です。
テレビ朝日の「おかしな刑事」などで「かもしだ刑事」を好演している伊藤四郎が事件の主役です。当時「みごろ、たべごろ、わらいごろ」というバラエティーで伊東四朗がデンセンマンのキャラクターで人気を博し、「しらけ鳥」などの歌が流行りました。そのせいか今回伊藤四郎扮する菰田源三郎がペットとしたのは、なんとカラス。人に懐くカラスの人形が、当時の「しらけ鳥」を彷彿させます。
美術工芸デザイナーの人見広介(伊東四朗)は、大自然に挑戦し、人間の力でより美しく芸術的な、そして誰も見たことがないだい理想郷を作り上げたいという思いで、出資者を捜し歩いていました。荒唐無稽と一笑に付されるだけで、誰も相手にはしてくれません。途方にくれた人見にさらに不幸が降りかかります。一休みしてタバコを蒸す人見に一羽のカラスが襲いかかります。慌てて振り払うのですが、ひつこくつけまわすカラスに困り果て家に逃げ帰ります。
家に飛び込んだ人見を迎えたのは、、妻英子(宮下順子)でした。しかし彼女は、薔薇密教の教祖・大野雄三と密通しており、情事の後に帰ってきた夫に取り繕うのですが、人見は全てを察するのです。しかしずる賢い大野の機転でとにかくカラスを!と意識をそらしてその場をやり過ごしたのでした。
その後3日間カラスに付きまとわれら人見は、我慢ならず、警察に相談するのです。呼び出されたのが、波越警部、なんで俺がカラス退治を!と愚痴をこぼしながらなんとか捕獲に成功!なぜ人間に付きまとうのかを明智の相談したのです。
大野と密通する英子(宮下順子)⬇️
このカラスは人に飼われているに違いないと推理した明智でしたが果たしてその推理は、というと大正解で、西伊豆に住む山林王菰田源三郎(49歳)の飼っていたペットのカラスだったのです。ラジオでカラスを探していると聞いた英子と大野は、早速カラスを返しにいきます。最初は、富豪からの謝礼目当てで菰田邸を訪れた二人でした。迎えてくれたのが、美しく上品な妻の千代子(叶和貴子)です。食事を頂き帰り際主人である菰田源三郎に会った英子はびっくり仰天、旦那の人見と瓜二つだったのです。
英子と大野は菰田源三郎と人見がそっくりということで、悪巧みを考えます。英子は、菰田の莫大な財産をせしめることを考え、さらに大野は自分の宗教団体をさらに大きくしたいと考えて犯罪計画を練ります。それには人見の協力が必要、パノラマ島の建設に全面的に協力するという条件で、犯罪計画に加担していきます。
三人の犯罪計画は成し遂げられ、菰田を亡き者にして、まんまと菰田家の一員となった人見、自分の野望を叶えるために、菰田の私財を湯水のように使いまくりるのです。邪魔者となった菰田の妻千代子を入浴中に殺そうとした、英子までも殺される中パノラマ島の建設が完了していきます。
不安を覚えて明智の相談する千代子⬇️
千代子は、人見に導かれパノラマ島の女王にさせられるのです。⬇️
今回はもちろん叶 和貴子(かのう わきこ)です。1956年4月23日 で函館の出身です。1977年に最終学歴は桐朋学園短期大学音楽科、1977年に卒業。当時人気絶頂だった、ピンクレディーや郷ひろみのバックコーラスを務めことをきっかけに女優への道が開けました。「和服の似合う美人女優」を探していた久世光彦が、郷ひろみの紹介をうけて、1980年にTBSのテレビドラマ『源氏物語』の「紫の上役」でデビューしました。
その後テレビドラマや、CM、大御所歌手とのデュエットなど幅広い活躍をしていきます。
子供番組では宇宙刑事シリーズ(キャバン・シャリバン シャイダー)でヒロイン「ミミー」役で子どもたちからも多くのファンを作りました。
和服が似合う美女だけのことはあり、時代劇にも多く出演しています。「必殺仕事人」「大奥」「大岡越前」「水戸黄門」など馴染みのある人気番組には軒並み出演しています。
自分が覚えているのは。「黄桜」のCMです。可愛らしい顔と声そして悩ましくおちょこでお酒を飲む姿が、印象的でした。
しかし若くしてリューマチを患い、想像を絶する闘病生活を余儀なくされたとのこと。涙なくして語れない長く苦しい期間を経て、今ではその経験を生かして、講演会などや健康をテーマにしたテレビ番組に出演しています。いつまでも上品で綺麗な叶和貴子です。
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