目次
今回は、普及の名作「犬神家の一族」です。もしかしたら、日本で一番有名なミステリー小説かもしれません。小説の世界から抜け出して、映画にドラマに、そして舞台まで、横溝正史作品の代表作とも言える「金田一耕助シリーズ」その中でも八つ墓村に次いで多く映像化された作品です。
1976年公開の映画版は、角川春樹事務所が初めて手掛け、市川崑監督、石坂浩二が金田一耕助を演じる本作最初の映画作品でした。
これは、「日本映画の金字塔」と称されることもあるくらい、名作に仕上がっていたとのことです。
おそらくですが、この一本の映画の大成功で、のちに続く金田一耕助シリーズと横溝正史作品の行く末に大きな影響を与えたのでしょう。
ここまでこの作品が愛されたのは、ストリーの素晴らしさはもとより、最初の映画における脚本、構成、配役、撮影などの完成度の高さが、見るものの心を引き付けて、次への期待感を高めたのだと思います。
出典:Hulu
謎に満ちた犬神家の人々と周辺人物は、時代が変わって新しいキャストでドラマや映画がつくられても変わりありません。登場人物を整理して改めて見てみようと思います。
出典:Wikipedia
犬神家の当主犬神佐兵衛は信州の財閥、孤児であった佐兵衛は神社の宮司野々宮大弐によって育ててもらったため、野々宮家にはひとかたならぬ恩義を感じていました。
一方犬神家には、三人の美人姉妹がいました。生涯正妻を取らなかった佐兵衛であっため、三姉妹は異母姉妹です。
そして、それぞれ息子がいるので、かなり複雑な家系です。左兵衛が恩人と慕う野々宮家には野々宮珠世という絶世の美女がいました。
野々宮家と犬神家の親交は深いので、三姉妹の息子たちも珠世をめぐってのライバルでした。
長女松子の息子で出兵した佐清は、終戦とともに復員してきたのです。佐清は戦争で被害にあい、顔にやけどをおったため、顔を白いマスクで覆って登場するのです。(あの有名な白いお面ですね。)
出典:Blog
犬神左兵衛が亡くなって遺言書を預かっていた弁護士の古舘は、不審な事件が頻発して、身の危険を感じたため東京にいる金田一耕助を訪ねて、事件の解明をお願いに来ました。そして急遽遺言書公開の場に立ち会うこととなります。
信州の那須ホテルで弁護士により公表された遺産は一同を驚愕させるものでした。”全相続権を示す犬神家の家宝“斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)”の三つを、野々宮珠世(佐兵衛の終世の恩人たる野々宮大弐の唯一の血縁、大弐の孫娘)が佐清、佐武、佐智の佐兵衛の3人の孫息子の中から配偶者を選ぶことを条件に、珠世に与えるものとする、さらに、珠世が相続権を失うか死んだ場合、犬神家の財産は5等分され3人の孫息子は各5分の1ずつを相続し、残り5分の2を佐兵衛の愛人・青沼菊乃の息子の青沼静馬が相続する”というもの。
この遺言書をめぐって、様々な事件が勃発していき、謎に立ち向かう金田一耕助の活躍がはじまるのです。
女中役で深田恭子も主演↓
出典:Blog
犬神家の一族のみならず金田一耕助を演じた俳優もたくさんいます。初代の片岡千恵蔵にはじまり、石坂浩二、古谷一行、片岡鶴太郎など14代の金田一耕助が誕生し、2018年には第15代の加藤シゲアキが、フジテレビの映画で金田一耕助デビューを果たしました。
さらにこの物語のマドンナ野々宮珠世役も多くの女優が演じています。セリフは少ないのでしすが、凛とした姿を最後まで保ち、美しさと知性を兼ね備えて犬神家の一族に対峙する姿を演じるというかなり高度な役柄だと思います。
やっぱり抜擢されている女優は美しさと実力を兼ね備えているんだと素人目からも感じるものがありました。
島田陽子(1976年映画)/松嶋菜々子(2006年映画)財前直見(1990年テレビ朝日ドラマ)/牧瀬里穂(1994年フジテレビドラマ)/加藤あい(2004年フジテレビドラマ)/高梨臨(2018年フジテレビドラマ)
いずれも、演技派女優で、しかも美しいという・・殺伐とした内容の中で、華を添えるそんな存在でもありましたね。
島田陽子(1976年)
出典:Blog
松嶋菜々子(2006年)
出典:Blog
その他の金田一耕助シリーズはこちら